腎臓病診療に自信がつく本 第2版
Generalist Masters 2
【著者のことばより抜粋】
「腎臓病診療に自信がつく本」の改訂第2版をお届けします。
人口の高齢化、慢性疾患が増加している今日、人口の約2割、入院患者の3割は慢性腎臓病患者です。低Na血症や高K血症などの電解質異常に遭遇することもまれではないし、集中治療領域では急性腎障害への対処の如何が予後を決めかねません。腎臓病診療に関する基本的な知識や技能はすべての診療科の医師にとって必須のものとなってきました。
初版を発行してはや5年。この間、多くの読者、先輩、後輩の方々からご意見をいただきました。当初は、腎臓内科の入門書をめざしたのですが、「専門医試験のまとめ、知識の整理に役立った」「研修医の指導の参考にさせてもらっている」「コラムが面白い」などの感想をいただき光栄に思う反面、「初心者用といっているのにマニアックな記述が多い」などのおしかりの言葉もいただきました。
そこで、改訂にあたっては、「腎臓内科の入門書」という姿勢を堅持するとともに、次のことを心がけました。英語の文献や教科書を気軽に読める若手医師が増えてきているので、網羅的な教科書にはせず、具体的な処方についても詳細には記述しない。治療内容は日進月歩ですし、個々の症例に応じた処方の注意点を書き出したらとても300ページには収まらないからです。そのかわり本書では、腎臓内科の教科書、論文を読む際の基礎知識、基本的考え方を伝えることをめざしました。教科書やガイドラインの行間に埋もれている、専門家の経験、知恵と常識です。著者としては、腎臓内科を目指す若手医師や、他科の専門家が、空いた時間に気軽に本書に目を通すなかで「あっそうか」「そういうことだったのか」と感じていただければ望外の喜びです。本書を読んだうえで、教科書やUpToDateなどを読むとおもしろいように理解が進む、その結果、腎臓内科の診療に自信がつき、若手読者の中から腎臓内科を専門にする仲間が増えることを期待しています。
目次
Ⅰ 外来・病棟患者への初期アセスメント
1.血清クレアチニン1.0mg/dLは異常値,腎機能低下なのか?
腎機能の評価法
2.腎機能低下時の薬物療法の注意点は?
腎機能低下時の薬物療法
3.腎機能が低下している患者に造影剤を投与するときに注意する点は?
造影剤腎症
4.蛋白尿(2+)だった人が今日は(+)になった.蛋白尿が減ったと判断してよいか?
蛋白尿を評価する
5.血尿・蛋白尿を呈した患者の初期診断(検尿異常)をどうするか
尿異常の精査法
6.尿検査(尿pH,沈渣など)の見方は?
尿検査の見方
7.蛋白尿,血清クレアチニン上昇を示す患者をみたら?
慢性腎臓病(CKD)
8.急性腎障害 Acute Kidney Injury
急性腎障害
9.薬物と腎障害の基本的事項は?
薬物性腎障害
10.慢性腎臓病患者に対する降圧療法をどうするか
慢性腎臓病患者に対する降圧療法
11.血圧 210/120mmHgの患者が外来に来たら
高血圧緊急症
12.初期輸液療法の基本は?
初期輸液療法
13.維持輸液療法の基本は?
維持輸液療法
14.低Na血症の初期診療:診断
低Na血症の診断
15.低Na血症の初期診療:治療
低Na血症の治療
16.高Na血症の初期診療をどうする?
高Na血症の初期診療
17.高K血症の診断と治療は?
高K血症の診断と治療
18.血清K濃度3.5mEq/L以下にどのように対処するか?
低K血症の診断と治療
19.Naバランスの異常と利尿薬の使用法をどうするか?
浮腫と利尿薬
Ⅱ 特殊病態の初期アセスメントと対応
20.酸塩基平衡調節のメカニズムを理解するには?
酸塩基平衡
21.血液ガス分析の解釈のしかたは?
血液ガス分析の解釈
22.代謝性アシドーシスの評価と治療は?
代謝性アシドーシスの評価と治療
23.代謝性アルカローシスの評価と治療は?
代謝性アルカローシスの評価と治療
24.カルシウム,リン,マグネシウム異常の診断と治療は?
Ca,P,Mg異常の診断と治療
25.糸球体疾患の基本は?
糸球体疾患の基本
26.血尿,蛋白尿と急速な腎障害をどうする?
急性進行性糸球体腎炎
27.腎障害ある患者にみられる貧血をどのように治療するか?
腎性貧血
28.食事指導の内容は?
腎臓病の食事と栄養
29.重症患者に対する急性血液浄化療法の選択と透析条件は?
急性血液浄化療法
30.透析療法についてこれだけは知っておきたいことは?
末期腎不全
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